使ひ捨て懐炉死ねば即座に剥がさるる 栗林千津

栗林千津 1910~2002年 老境を自然な読み口で詠んだ

千津の他の作品

・帰郷われに拳をあづけ芋掘る父

・鬼やんま父の脾腹を食はんとす *ひばら、脇腹

・秋茄子を二つ食べたるからだかな

・地続きに火噴く山ありひきがえる

・極寒期うまの合ひたる鮫とウクレレ

・春濡れの雉子鳩の翅役者の子

・前山を見る寄鍋のうれしさで