2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

七月の俳句

やはらかく胸を打ちたる団扇かな 片山由美子 一瞬にしてみな遺品雲の峰 櫂未知子 老の肘さむくてならぬ夏の雨 辻田克巳 ばつてらや川筋は灯のなつかしく 山尾玉藻 手に取りて木曽の檜の椀涼し 稲畑廣太郎 カバのデカ死んで日本の油照 坪内稔典 日盛や動物園…

アイヌの神謡

アイヌの世界で重要な動物は熊と鮭で、鹿も重要な食料となる動物です。アイヌの神話では、さまざまな動物の霊が大きな働きをしていて、動物の世界と人間の世界を自由に行き来しています。アイヌの人たちの言葉で、神はカムイと言いますが、そのカムイは最高…

アニミズム俳句 小澤實選

凍蝶の己が魂追うて飛ぶ 高浜虚子 採る茄子の手籠にきゆアとなきにけり 飯田蛇笏 人来ればおどろきおつる桐の花 前田普羅 蟋蟀が深き地中を覗き込む 山口誓子 雪片のつれ立ちてくる深空かな 高野素十 何もかも知つてをるなり竃猫 富安風生 落葉松はいつめざ…

冬薔薇や賞与劣りし一詩人 草間時彦

・草間時彦(1920~2003年)サラリーマン俳句、グルメ俳句 金魚赤し賞与もて人量らるる 冷え過ぎしビールよ友の栄達よ 土用鰻息子を呼んで食はせけり 畳屋の肘が働く秋日和 秋鯖や上司罵るために酔ふ 秋風や昼餉に出でしビルの谷 台風や四肢いきいきと雨合羽…