2020-08-04 八月の俳句 八月の赤子はいまも宙を蹴る 宇多喜代子 八月がくるうつせみうつしみ 寺井谷子 象の背を箒で掃いて終戦日 大木あまり どの家も道につながり盆の村 小泉啄葉 南から骨の開いた傘が来る 鴇田智哉 ゆつくりと西より雨や絵燈籠 宇佐美魚目 岐阜提燈瀬音の中に点りけり 辻恵美子 夕風へ背襖二枚門火焚く 奈良文夫 草色の大きな月や送り盆 中山世一 ひぐらしや遠い世界に泉湧く 宇井十間 蜩や山のプールに杉の影 森潮 口吸へば魚臭きや昼花火 間村俊一 桃食ひしあと吹く風に身をまかす 村越化石 髪白くなるうつそみや星の恋 藺草慶子