2020-07-28 七月の俳句 やはらかく胸を打ちたる団扇かな 片山由美子 一瞬にしてみな遺品雲の峰 櫂未知子 老の肘さむくてならぬ夏の雨 辻田克巳 ばつてらや川筋は灯のなつかしく 山尾玉藻 手に取りて木曽の檜の椀涼し 稲畑廣太郎 カバのデカ死んで日本の油照 坪内稔典 日盛や動物園は死を見せず 高柳克弘 少年の雨の匂ひやかぶと虫 石寒太 晩年や夜空より散るさるすべり 鍵和田秞子 かなぶんに好かれて女盛り越す 岸本マチ子 ハンモックより過ちのごとく足 仲寒蝉 炎天のビールケースにバット挿す 榮猿丸 テーブルに七味散りをりかき氷 小野あらた 学会の夜のホテルに泳ぎけり 杉田菜穂